『剣に焦ぐ』感想レビュー|隻腕の剣士に、読者ごと竹刀で殴られる
今日もゲームをはじめよう編集部
今日もゲームをはじめよう
累計発行部数1億2千万部。この数字の意味を、正直今さらだけど思い知らされている。それが『キングダム』(原泰久)だ。
「今さらキングダムの記事?」って思われるかもしれない。でもこれだけ長く、これだけ多くの人に読まれ続けている理由を、ちゃんと言葉にしておきたかった。
| タイトル | キングダム |
| 作者 | 原泰久 |
| 掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ(集英社) |
| 連載開始 | 2006年9号〜連載中 |
| 受賞 | 第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞 |
| 累計発行部数 | 1億2千万部突破(2025年10月時点、集英社青年誌初) |

中華統一を目指す秦の時代を舞台に、下僕から大将軍を目指す信と、若き王・嬴政の物語が描かれる。史実をベースにしながら、圧倒的なスケールで戦国時代の群像劇を作り上げている。
読んでるうちに、普通に春秋戦国時代そのものを自分で調べたくなった。漫画のはずなのに、史実を追いかけたくなる。これがまずすごい。
信、王騎、廉頗たちは、勝敗だけでなく、それぞれが背負う国、軍、約束まで戦場へ持ち込みます。大軍同士の戦いを描きながら、一人の決断が戦況を動かす構図を崩さない。その積み重ねが、『キングダム』の戦闘に強い熱を与えています。
もちろん、いいことばかりじゃない。戦闘描写の暴力性・残虐性はかなり強いし、主要キャラが土壇場で意味不明に無敵化する場面もある。一刀両断とか、正直「そんなわけないだろ」と思う瞬間も普通にある。それでも読んでしまう。その矛盾ごと飲み込ませてくる熱量が、この作品にはある。
20年近く走り続けて、なお累計発行部数を更新し続けている。この持続力そのものが、キングダムという作品のすごさだと思う。読んだことがない人は、この機会にどうぞ。