コラム
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自分や自分の子供はゲーム障害?そんなことはない!!3つの特徴を正しく理解!

ゲーム障害
きーる
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WHOの正式発表

国際疾病分類
「ゲーム障害」を認定

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Contents

WHOが「ゲーム障害」を疾病としてICDに正式登録

世界保健機構(WHO)は6月18日付け、国際疾病分類(ICD-11)を発表しました。
このICD-11の中で、草案が発表された際にも話題になった「Gaming disorder(ゲーム障害)」が疾病の一つとして、正式に認定されました。

もしかして私はゲーム障害なのでは・・・?
もしかして、自分の子供はゲーム障害なのでは・・・?

そんな不安もあるかと思いますが、
かなり高い確率でゲーム障害ではありませんので、基本的には大丈夫です。

ではどんな人がゲーム障害と認定されるのか?
見ていきましょう。

ICDに登録されると何が変わるのか?

まず、ICDとはなんでしょうか。
ICDとは「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」を指します。
(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)

“統計分類”とあるように、主な目的としては、病気の原因や死因を分類し、記録・分析するために制定されたものです。
つまり、ここで定義されていれば正式な病名として使用できるわけですね。

ゲーム障害と認定された人が2018年では10人~とか、統計できるわけです。

なお、今回、ICD10から、ICD11への改訂版が発表されたわけですが、すぐに発効されるわけではありません。
まず、2019年5月に世界保健総会(World Health Assembly)に提出され、加盟国の採択後、2022年1月1日に発効される予定です。

ゲーム障害ってどういう障害?

まずはゲーム障害がどのように定義されているかを知りましょう。
国際疾病分類(ICD-11)は、以下のURLから参照することができます(英語です)

ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics (2018)

ICD-11 ゲーム障害 分類

この中の06項「精神的、行動的または神経発達障害」の項目を追っていくと、「ゲーム障害」の項目が出てきます。【6C51 Gaming disorder】の項目を見てみましょう。

【6C51 ゲーム障害】
ゲーム障害は、オンライン(すなわち、インターネット上)またはオフラインで持続的または反復的なゲーム行動(「デジタルゲーム」または「ビデオゲーム」)のパターンによって特徴付けられる。
1)ゲームに対して制御ができない(例えば、開始、頻度、強度、期間、終了、状況)
2)ゲームが他の生活上の利益および日常活動よりも著しく優先される。
3)悪い結果を発生させることがわかっているにもかかわらず、ゲームを継続する。また、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において重大な障害をもたらすほどに顕著である。
これらの症状は、連続的または一時的かつ反復的であり得る。
ゲーム障害と診断するためには、少なくとも12ヶ月の期間にわたって診断される。
ただし、上記3点の診断要件が全て満たされ、かつ症状が重度であれば、診断期間が短縮される場合もある。

※こちらはきーるが和訳したもので、実際の解釈は多少異なる場合があります。

自分や自分の子供はゲーム障害なのか?

冒頭でも述べましたが、まずゲーム障害ではないと考えられます。

ゲーム障害の症状を再度記載します。

1)ゲームに対して制御ができない(例えば、開始、頻度、強度、期間、終了、状況)
2)ゲームが他の生活上の利益および日常活動よりも著しく優先される。
3)悪い結果を発生させることがわかっているにもかかわらず、ゲームを継続する。また、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において重大な障害をもたらすほどに顕著である。

1)ゲームに対して制御ができない

これは、ゲームをいつ始めるか?どのくらいやるか?それの熱中度合い、やめられない、どんな状況でも我慢ができない、といった項目が含まれます。
つまり、

①普通に学校で授業を受けている
②普通に職場、または自宅で仕事をしている

どちらかの条件が満たされている時点で「ゲーム障害」ではありません。

ゲーム障害の場合は、学校の授業中であろうと、職場で仕事をしていようと一旦「ゲームをやりたい」と思ってしまったら、その衝動を止めることができません。

「あー、めっちゃゲームしたい・・・。帰ったらゲームをとことんやるぞ!!」
という方は衝動の「開始」を制御できています。

2)ゲームが他の生活上の利益および日常活動よりも著しく優先される。

日常生活とは、食事、着替え、就寝・起床、着席・起立、入浴やシャワー、トイレなどよりも著しくゲームが優先される状況です。

例えば飢餓状態になるまで食事をしなかったり臭いなどを指摘されているにも関わらず入浴をしないなどです。

「ご飯はあとでいいや」程度は日常生活でよくあることです。
ゲームに限らず、仕事でも、勉強でも同じなので、該当しません。

3)悪い結果を発生させることがわかっているにもかかわらず、ゲームを継続する。

また、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的または他の重要な機能領域において重大な障害をもたらすほどに顕著であることが該当します。

これはあまりにも重篤です。
「悪い結果を発生させることがわかっているにも関わらず」ということは、ゲームをやると不幸になるのにやるということです。

あなたはゲームを楽しいと感じていますか?そうであれば大丈夫です。
「楽しいからゲームをする」ならば(3)には該当しません。

「ゲームが楽しくない、ゲームをやっていると苦しいのにやめられない」場合はこれに該当します。

(1)(2)(3)の症状が12ヶ月に渡り継続すると「ゲーム障害」

ゲーム障害と診断されるのはこれらの症状が「12ヶ月間にわたって観測された場合」です。

そんな社会生活が崩壊している人って・・・周りにいますか??

ちなみにWHO委員のVladimir Poznyak博士も、「世界中にいる数千万人のゲーマーは、仮に激しくゲームに没頭している人であっても、ゲーム障害として認定されることはないだろう」とインタビューに答えています。

(引用)
“Millions of gamers around the world, even when it comes to the intense gaming, would never qualify as people suffering from gaming disorder.”
引用元:‘Gaming disorder’ is officially recognized by the World Health Organization

なぜ認定された?

ゲーム障害 ゲーム依存

上記のとおり、ゲーム障害とは重度の症状を指し、該当する人はほとんどいません。
自分の周り、さらには日本ではほとんどがこの症状に苦しむ人はいないでしょう。

では、なぜ今回「ゲーム障害」が認定されたのでしょうか。
それは、世界では実際にこの障害に苦しむ人苦しむ人がいるからです。

今回の認定で、世界中で「ゲーム障害」に悩む人々の症状や、その改善方法、経過が共有されることになります。
他の国で改善が見られた処置などが共有されることで、適切な治療を受けられる可能性が高くなります。

あくまでも「困っている人を助けるため」の認定であることは疑いようのない事実なのです。

ゲーム障害がゲーム文化の発展を阻害する恐れ?

前述のとおり、「ゲーム障害」の認定は、歓迎されるべきことです。
しかし、Twitter界隈などではこの「ゲーム障害」が認定されたことについて、大きな反発が見られます。

彼らが反発する理由は、これまでのメディアによるゲームの印象操作です。
日本では以下のような報道がされることがあります。

「殺人犯は、残虐なゲームをしており・・・」
「性犯罪者は、性的なゲームをしており・・・」

この報道を見ると、「ゲームをしていたら犯罪をしてしまうのではないか」といった不安を煽ることになります。

実際には「犯人がゲームをしていた」だけであり、「ゲームをしたら犯罪者になる」わけではありません。

とあるジョークで、

「犯人の多くはパンを日常的に食べていました」

「パンを食べると犯罪者になる」

というめちゃくちゃな理論がネタにされますが、ゲームのことでメディアがこの理論を展開すると、なぜか受け入れてしまう人もいます。

なぜ、メディアがそんなにゲームを目の敵にするのかは全く理解できませんが、そんなメディアからすれば、今回の「ゲーム障害の認定」は、格好の的になるんですね。

「ほらみろ、言ったとおりだろ」と言われかねないわけです。

もちろん、ゲームに関心のある人は暴論に気づきますが、ゲームに関心のない人は「そうなんだ・・・」と受け入れてしまうこともあります。

そうなると、ゲーム業界の衰退に繋がる恐れがあり、今回のような反発をしているわけですね。
(単純にゲーム障害という言葉が嫌いという人もいるかもしれませんが。)

ちなみに、暴力的なゲームは人格などへの影響がないことも研究からわかっています。

参考記事
暴力的ゲームは子どもに影響なし–ハーバード大心理学者が調査 CNET Japan

また、過去には「ゲーム脳」といった疑似科学が流行することもありました。
「ゲーム脳」とは、日本大学の教授である森昭雄氏が2002年に出版した『ゲーム脳の恐怖』で提唱した造語です。割愛しますがこれも科学的根拠に乏しく否定されています。

興味のある方は100円ちょっとで買えるので暇つぶしに。

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ゲーム障害を恐れて子供からゲームを取り上げないで!!

私が懸念しているのはこれです。
誤った知識を得た親御さんによる、変なゲーム規制をされてしまうのが最も怖いのです。

親心としては、家でゲームをやっているよりかは、外でスポーツをしていて欲しい。

「うちの子、ずっとゲームばかりしている・・・」
「このままだとゲーム障害になるんじゃないか?」

そういう不安になるのもすごくわかります。

ですが、だからといってゲームを取り上げるのはやめてください。

いつもゲームをしている子からゲームを取り上げようとすると、おそらくすごく反発されると思います。
その時に「ほら、やっぱりゲームに依存してる!!」
と思うかもしれません。

でも、違うんです。
その子は「理不尽に好きなものを取り上げられたこと」に怒ってるんだと思います。
そして、子供はそれをキレイに言葉で伝えることができません。

これはゲームに限った話ではありません。

ゲームブログでこの子供の教育の話にまで首を突っ込んでいるのは、私はゲームが本当に好きだから。

ゲームが原因でどこかの家族の仲が悪くなったりするのが本当に悲しい。
どうか、子供から無理やりにゲームを取り上げないで下さい。

「他のことにも目を向けてほしい」という気持ちはすごくわかります。
だからこそ、いきなりゲームを取り上げるのではなくて、子供との対話、コミュニケーションを大事にしてください。

家族 ゲーム コミュニケーション 会話

その子がゲームを本当に好きならば、なにかしらゲームから感動を得ているはずです。
難しいパズルを解くことが楽しいのかもしれないし、まだ見ぬ世界への冒険が楽しいのかもしれない。
正義の味方になって人を助けることが楽しいのかもしれない。

それを汲み取ってあげてください。
そうすれば子供は「ゲームの面白さ」を語ってくれるでしょう。

親であるあなたは、その面白さを聞いてあげてください。
家族のコミュニケーションが増えれば、ゲーム以外のことにも関心が向くはずです。

ゲーム障害を正しく理解しましょう

今回の「ゲーム障害」の認定により、誤った解釈・誤った知識が広がらないことを切に願います。

記事数が少ないブログで本当に申し訳ないんですが、以下の記事のように素敵なゲームもあります。

是非、お子さんと一緒にゲームを通して対話もしてみてください。

では、今日もゲームを始めましょう。

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きーる
3歳頃から共にゲームと育ってきた。ゲームのない人生は考えられない。
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