FF15 感想レビュー 数多の不満点とたった1つの満足
こんにちは、きーるです。
FINAL FANTASY XV(ファイナルファンタジー15、以下『FF15』)はFinalFantasyシリーズ(以下、『FF』)で最も賛否両論あるタイトルと言って過言ではないでしょう。
FFの中でも人によって好き嫌いのあるタイトルはあるでしょうが、FF15はプレイ人口の多さからか、特に話題に上がることの多い気がします。
発売は2016年と、すでにひと昔のゲームになりつつありますが、世間の感想の嵐の中に、私も感想を吐き出しておきます。
まず言いたいのは、私はFF15が大好きです。
そんな私が語るFF15の多数の不満点と、それを補って余りあるたった1つの好きな点をまとめました。
Contents
DLCや関連作品は未視聴、未プレイ
私はまだDLCを1つもプレイしていません。小説も、映画も見ていません。
不満点の中にはストーリーに関する部分もありますが、DLCなどで補完されている場合はごめんなさい。
また、ネタバレ有のため、既プレイ者向けのレビューです。
未プレイの方は盛大にネタバレになりますので、総合評価より先は読まないことを推奨します。
FF15の総合評価
個人的にはとても楽しめました。
100点で言うなら、80点はあります。
未プレイの方があるならとりあえずオススメしたいくらいです。
PS5を持っていてPSPlusに加入している方は「PlayStation Plusコレクション」でプレイできるので是非プレイしてみて欲しいです。(今のPS5の販売状況ではかなりコアの方じゃないと難しいか・・・?)
念のためもう一度。
ネタバレ有のレビューです。
個人的には、未プレイの方にはちゃんとプレイしたうえでFF15を評価してほしいので、ブラウザバック推奨です。
既プレイの方、是非感想を共有しましょう。
FF15の不満点
人によってはクソゲー評価のFF15ですが、FF15大好きな私でも言いたいことはありますので、気持ちはわかります。
何が面白かったのか?はあとで述べるとして、不満点を先に述べます。
- ストーリーがプレイヤー置いてけぼりで断片的にしか語られない
- 魅力的な敵ボスキャラが少ない
- 魔法の存在が薄い
- 攻撃手段の器用貧乏感
- オープンワールドなのにマップがスカスカ
- 車に戻らないと飛べないファストトラベル
- 会話の使い回し
- ダンジョン内での不便な移動ダンジョン
ストーリーがプレイヤー置いてけぼりで断片的にしか語られない
プレイしている人のほとんどが感じていると思いますが、ストーリーが難解です。
大筋としては
帝国を倒すために六神の力を借りよう
帝国を倒すために歴代王の力を借りよう
帝国を倒すためにクリスタルの力を借りよう
帝国じゃなくてアーデンが元凶ってことがわかる
クリスタルの力を使うとノクトは死ぬ
という感じです。
あとはほとんどプレイヤーの想像任せです。
なぜ六神の力が必要なのか?なぜ歴代王の力が必要なのか?クリスタルとは何なのか?そういったものはすべて説明されません。目の前で起きたことを「そういうものだ」と全部飲み込んで自分を納得させて進めなければいつまでも疑問符が頭に浮かび続けます。
ですが、ストーリーの途中途中で挟まれるムービーでは壮大さを感じさせてくれます。
シナリオの要所要所はめちゃくちゃ力が入っています。
ただ、その繋ぎがあまりにもお粗末で断片的で、理解させよう納得させようという気が感じられません。
「やりたいことをやりたいときにやった」感がすごい。スケジュールとか予算がカツカツだったんか?
FF15で(ひどすぎて)トラウマ章と言われている13章はアップデートで改善されているようですが、それでもキツイ。正規のノクトルートに加えて、グラディオルートが追加されています。グラディオルートはストーリー補完、難易度低下、短縮化されているので、すっきrと13章を遊ぶことができます。・・・が!グラディオルートを進むとノクトルートの話が一切説明されないので、ノクトはいつのまにか父王の剣持ってるし、よくわからんとこまで来ちゃってるし、ひどい置いてけぼりでした。
結局、セーブを戻してノクトルートもやることに。2度手間になっただけじゃんか。なんだこのやっつけアップデート。
魅力的な敵ボスキャラが少ない
アーデンとアラネアとレイブス以外に人型のボスっていたっけ?
アラネアもあっさり中立になるし、レイブスはいつの間にか死んでシガイになるしで、思想の対立の結果戦う、とかが一切ないんですよね。つまり、敵キャラの掘り下げがないので魅力がないんです。
ズーとかモルボルとか、歴代FFの定番モンスターがボスになったりしていますが、結局ただのモンスターなんですよね。そこのボスはべつにお前じゃなくて他のモンスターでもいいわけで、戦う理由も「襲ってきたから」以外になくて印象に残らない。
六神との闘いは派手でよいですけど、イベント戦なのでアイテム使って死闘を繰り広げる・・・!というものではないです。
せっかくキャラが自由にしゃべりながら戦闘できるんですから、お互いの意見をぶつけ合いながら戦うみたいなものたくさんあってもよかったんじゃないかな。アーデン戦みたいなやつ。
魔法の存在が薄い
魔法・・・みなさん使いました?
私はほとんど魔法を使いませんでした。
- 魔法が消耗アイテムなので気軽に使えない
- 威力もめちゃくちゃ強い訳ではないし、仲間にも当たってしまう。
- ひとつの魔法で武器の装備枠を一個使ってしまう。
というわけで、普通に武器で殴ったほうが強いし楽。
オメガ戦でようやくまともに使ったくらいです。
魔法の精製量を増やしたり、威力を上げるにはアビリティ揃えなきゃいけないのに、APが貴重すぎるうえ、他に有用なアビリティが多すぎて魔法に費やしている余裕もない。
リンクアタックを強化した方が圧倒的に強い。
魔法はルシス王家の者しか使えないという設定がある以上、仲間が自由に魔法使えないのは仕方ないけど、ノクトはもっと自由に使えてもよかったんじゃないかと思う。(イグニスはなんでエンチャントできるのかわからないし)
攻撃手段の器用貧乏感
ノクトはいろんな武器を使えるので、戦略の幅が広がります。
剣でオーソドックスに戦ってもいいし、銃で遠距離で戦ってもいいし、槍とか斧とかも使える。
各武器で攻撃モーションも違うので、使っててとても楽しいです。
攻撃の途中で武器を変えることもできるし、空中でステップすることもできるので、Devil may cryのようなアクロバティックでハイスピードなアクションができます。
キングダムハーツといい、スクエニのアクションRPGはさすがだなと思います。
・・・が、このゲーム結局リンクアタックとシフトブレイクが強すぎる。
いや、その他の攻撃が弱すぎる。
中型以上のボスなんてリンクアタックしていかないと戦闘が長引いて長引いてしょうがない。いろんな武器使っても、一通り遊んだら好みの武器に固定されてしまうんじゃないでしょうか。だって戦闘多すぎるんだもの。
いちいち武器切り替えるのも面倒だし、有利不利の武器種もわかりにくい。不利武器でもステータス画面開いて武器を切り替える煩雑さを考えると、そのままでいいや・・・ってなってしまう。
さらに、歴代王の武器は装備するだけでステータスが変動するので、使いたい武器でも「攻撃力減るのか・・・」と躊躇してしまうし、攻撃力上がる装備はとりあえずつけとけってなるので、装備枠を圧迫する。ただのアクセサリーじゃねぇか。
オープンワールドなのにマップがスカスカ
オープンワールドで広大なフィールドを探索する訳ですが、このフィールド探索が面白くない。(致命的)
まず、マップがスカスカすぎる。オープンワールドの醍醐味はまずは大きなランドマークががあって、そのランドマークに向かって歩いているうちに見つかる小さなロケーションの数々です。ランドマークにたどり着くために、道沿いに行く人や、高い山を登って下って直線距離を行く人など、千差万別の手段で行き、その都度新しい発見があるから楽しいんです。
でも、FF15は国道をずーーーっとレガリアで走るだけです。
途中のロケーションも店と宿があるだけで、特に新しい出会いとかはさほどありません。
レガリアは国道以外は走りませんので、オープンワールドといいつつ道は決まっているようなものです。一度ランドマークにたどり着いたらあとはずっとファストトラベルを使うのでオープンワールドである意味はあまりない気がします。
荒野を突っ切っても、特別に強い敵もそんなにいる訳じゃないし、アイテムも豊富に落ちてる訳ではない。絶景ポイントとかは大体国道沿い。
王家の武器が眠ってるようなダンジョンは多少探索しないと見つけられませんが、それを探すためにあの広大なエリアを歩いて回るのは相当しんどいと思う。
車に戻らないと飛べないファストトラベル
ロケーションで討伐クエストを受注すると、国道からちょっと歩いたところに討伐目標がいます。ですが、レガリアちゃんはそこまで行けません。国道で待ってるそうです。
仕方がないので徒歩で向かいます。果てしなくめんどくさいです。
チョコボがいればチョコボに乗っていけますのでちょっと楽になります。(なんでずっとレンタルなんだよ。羽の色も変えてレベルも上げてるし買い取れよもう)
そして、クエスト目標を討伐したとします。さあ報告だ!ってなったらどうしますか?
ファストトラベルを考えますよね。報告地点までひとっとびしたいですよね。
でも、このゲームフィールドからファストトラベル出来ないんですよね。いちいち車まで戻らないといけない。
でも、車までは「車に戻る」でファストトラベルできるんですよ。
どう考えても2度手間ですよね???
車までファストトラベルで戻ってそこからまた目的地にファストトラベルするの、どう考えても2度手間ですよね????
荒野のど真ん中からファストトラベルして車も一緒についてくればよくないですか???なんでそれがだめなんですか???
会話の使い回し
旅の途中、キャラクターは常に何かしゃべっています。
雨が降ったとき、敵と遭遇した時、街についたとき、夜遅くなった時。
すごい量のセリフだと思います。
ですが、やはりパターン化されてしまいます。
最初は新鮮で楽しく感じた会話も、なんども聞いていると煩わしくなってきます。
ノクト一行はノリは明るいんですがどこか気だるそうなところもあって、毎度「暑い」「だるい」「お腹減った」みたいな愚痴ばかりを聞かされるとちょっと滅入ってきます。
プロンプトのぱぱぱぱーんぱーんぱーんぱっぱぱーん♪も、最初は「かわいいなぁ」ってなりましたが終盤はさすがにうるさく思います。
もうちょっとセリフの頻度を減らせば「お、なんかしゃべった!」って新鮮味がでてよかったかもしれません。
こうしてみると、本当に不満点が多い!
書いててびっくりしました。書き出すとこんなに不満点出て来るんだね。
でも、本当は不満点こんなもんじゃなくて、もっと言いたいことはたくさんあるんだけど、一旦終わり。
これだけの不満点が出ておきながら「面白かった」っていう評価なの??っていう疑問はもっともです。
次はよかった点を書きます。
FF15の満足点
絆を描いたストーリー
FF15は本当に多くの不満点がありますが、こと「絆を描いたストーリー」に関してはもう傑作といえると思います。
本当にノクト一行の旅はよかった。
固定のメンバーという性質上、パーティメンバの入れ替えとかそういう楽しみはありませんでしたが、それを補ってこの4人の絆の物語はプレイの価値ありです。
FF15の開発は、まずこの4人の組み合わせが先にあって、この4人を旅に出させて最期を迎えるにはどうするか?ということで六神とかの要素を足していったんじゃないかと思う。
王の盾としてのグラディオ、王の指導役としてのイグニス、王の友人としてのプロンプト。その中で王として成長していくノクト。
この構図は最初から最後までブレなかった。
(一言いうなら、もう少しノクトの成長の過程は描写してほしかったけど)
FF15のテーマである、The Unbreakable Bond(決して壊れることのない絆)は嘘偽りありません。
これまで撮ってきた写真の中で、たった一枚だけ選ぶ演出
みんなで旅をしてきて、さぁ決戦というタイミングでこれまで撮ってきた(保存してきた)写真のなかで一枚ノクトが持っていくという演出がありますが、こんなの感慨深すぎます。
最終決戦を前に、これまでどんな旅をしていたかを振り返る時間です。
初見プレイの時、アラネアさんの写真を選ぼうかすっっっっっっっっごい悩んだけどみんなの集合写真にして本当によかった。
私はほとんどマップをまわって、しっかりサブクエストをこなしてから最終ボスに臨んだので、遊び倒してきたFF15をキャラと一緒に振り返って感慨深くなりました。
こんなクエストあったなぁ、このボスいたなぁ、ここ撮ったなぁというFF15をプレイしてきた思い出が一気に蘇ります。
私も、ノクト達の旅を見守ってきたんだな・・・。
ノクトの最期はあれでよかった?
個人的にはよかったと思います。
え、なんだかんだノクト生き残るんじゃないの?っていう意見はすごくよくわかります。
でも、ノクトはあれでいい。あれがノクトなんでしょう。
「FF15はFF10のユウナレスカで終わるストーリー」と揶揄されるのを見ます。
言い得て妙です。
FF10では召喚士は自分の死と引き換えに世界を(一時的に)救うことが運命でした。
ティーダとユウナはこの運命に逆らって別の道を模索し、ハッピーエンドを迎えました。
あれは運命を背負っているのがユウナであり、それに青臭いティーダがその若さでがむしゃらに運命を切り開く構図です。「嫌なことは嫌だ」とはっきり言わなければ気が済まないガキが、世界を守りたいとかそういう気持ちで動いているんじゃなくて、ユウナを守りたい、死なせたくないという思いが原動力です。子供だから、究極召喚という手段を2度と取れなくなるという大きなデメリットもガン無視することができた。
ですが、ノクトは違うんです。ストーリー中盤・・・下手したら終盤間際まで子供っぽいところがありましたが、常に王として振舞わなければいけないという使命感は常にあったんですよね。タイタン戦(だったかな)の時、グラディオは「王の盾としての人生を与えられて、自分なりに誇りももっているし、納得もしている。お前も覚悟決めろ」とノクトに言っています。王として指名を果たそうとしていた。
指輪を託された後、なかなか付けられなかったのも、自分の思う王の姿と今の自分の姿がかけ離れていて、覚悟が決まらなかったからです。
そんなノクトが、10年の歳月を経て、「覚悟して出てきた」と言っています。
もはや世界は闇に覆われ予断を許さない状況で、みんながノクトに希望を託しています。
だれが他の道を探そうなんて言えるでしょうか。
ノクトはティーダじゃなくて、ユウナの立ち位置なんです。
いえ、ブラスカ(ユウナの父)という立ち位置がもっとも適切でしょうか。
「死にたくないから不確定だけど他の手段探します」なんてとても言えないです。旅の仲間も、ノクトと旅をしてきたからこそ、その覚悟がわかるからこそ言えないです。
悪い、やっぱ辛えわ
・・・だからこそ!!!このセリフなんです。
クリスタルから戻ってきたノクトは常に王として振舞って、心身ともに成長した姿をみせてくれます。
でも、そんな中仲間にだけ打ち明けた胸中。
この言葉、どれだけ重いでしょうか。
みんなの希望を一身に受けて、やめるなんて言えません。
でも、ずっと共に過ごしてきた3人にだけは「やっぱ辛えわ」と言えた。
ノクトを一番近くで助けてきて、素のノクトがこのセリフです。
そのあとみんなは「そりゃつれぇでしょ」「ちゃんと言えたじゃねぇか」「聞けてよかった」ですよ。
王の使命を果たそうとするノクトからの弱音を、ちゃんと受け止めてます。
ここで逃げてもいいよっていうのは、ノクトの覚悟を踏みにじることになりますから優しさじゃないんですよ。
ただ、その弱音を受け入れる。本当にいい仲間だと思います。器がでけぇよみんな。
ただ、ゲームを長くプレイしていないと伝わってこないです。
FF15はメインストーリーだけ追っていると20時間もかからずクリアできます。
20時間だけでこのセリフに辿り着いてしまった人、もったいなかった・・・。
このセリフは4人とどれだけ一緒に過ごしてきたかで重さが全然違います。
時間は遡りますが、最後にノクトを送り出す時、みんなノクトに「頼んだ」と敬礼するんですよね。
お前らどう言う気持ちでその敬礼してるの!!!!!!!!!!
ノクトから「やっぱつれぇわ」のセリフを聞いた上で、敬礼してるの!!!????
死ぬってわかってるのに!!!!!!
イグニスの絞り出すような「どうか・・・ご無事で」って・・・イグニス・・・!!お前が・・・奇跡を・・・望むのか・・・・!!!
だめです、俺の感情は振り切れます。死ぬ。
ちなみにここのシーンの時、プレイヤーはまだノクトのセリフ聞いてないんですよね。エンディングの後で初めて聞いて「こんなやり取りしてたの!!」てなったのは衝撃でした。
もう一度総合評価について
不満点はめちゃくちゃありますよ、このゲーム。
ストーリーは「そういうものだ」って飲み込む気持ち、自分で納得するように補完すること必須です。設定のアラが気になるとキツイものがあります。
でも、4人のやりとりに目を向けて、旅の物語、成長物語として楽しむと不満点をすべて吹っ飛ばして高評価に好転するんじゃないでしょうか。
長文で書き綴ったけど・・・
俺、FF15好きだわ。
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